水野しず展インタビュー(1/2)

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“総合型エンターテイメント施設”を名乗る気鋭のイラストレーター・水野しずさん。
この水野しずさんの作品展が5月16日から18日の3日間に高円寺デアデビルで行われた。
Creators at Workでは、
彼女の謎の満ちた来歴や、その一度見たら忘れられないような作品が生まれる過程に迫った。

展示みたいなことに対しては腰が重い節があるのかな

-展示はあまりされていませんよね。個展をするのは初めてですか?

水野しず(以下、水):そうですね、そんなにたくさんやったことがないですね。作品発表に関しては、ネットに載せるのが多い。

-こういうお店に展示するのは珍しいというか。

水:そうですね。展示みたいなことに対しては腰が重い節があるのかなーと。これも自分から自発的にこれをやろうとか企画したのではなくて、たまたま声をかけていただいたからすることになりました。ここは大森靖子ちゃんがイベントやってたので、そのときに足を運んで、そこでコマツさんがtwitterフォローしてくれて、作品を見て、「展示やらない?」と声をかけてくれた。場所的にも、在廊がラクっていうがありがたいですね。

-なるほど。どれぐらい準備ってしました?

水:社会不適合サミットっていう私がやっている集団のグッズを出したので、それの準備がけっこう土壇場になってしまって、前日はそれの製本で徹夜していたという感じです。

みんなそれぞれ自分のジャンルってものがあると思うんです

– 水野さん、そもそも一体何者なんでしょうか。僕は水野しずさんを初めて知ったのは去年の秋の混濁池なんですけど、それ以外に情報がなかなか無くて。

水:そうですね。型にはまるのが苦手な方ってすごく多いと思うんですけど、私もそんな感じで。職業とかって説明するのってけっこう難しいじゃないですか。みんなそれぞれ自分のジャンルってものがあると思うんです。なので、その自分って言うジャンルを説明するために、”総合型エンターテイメント施設”水野しずです、とか、私はプロの水野しずです、と言うようにしています。

– 水野さんの過去の活動って調べてみても全然出てこないんですけど、作品単体では出てきますよね。僕は水野さんの映像作品が好きで。今回の展示にもその映像に使われたものが少し混ざってますね。

違和感のあるものって人の心を掴む

-ラジオもやってますよね。

水:ラジオやってますね。私すごい人間のイントネーションに敏感なんですよ。イントネーションフェチ。あんまりイントネーションフェチな人っていないと思うんですけど。

-イントネーションフェチ。

水:そうなんですよ。たとえば、吉祥寺のヨドバシカメラってあるじゃないですか。ヨドバシカメラの地下に行くと、アナウンスで「ヨドバシカメラマルチメディア館です」みたいなこと言ってるんですけど、そのイントネーションが、たぶんたのしいイメージとか高揚してるイメージを演出するために、アナウンスしている女性が意図的に「マ↘ル↘チ↗メ↗ディ↗ア↗カ↗ン↘」というイントネーションで言ってるんです。

-(笑)

水:でも、マルチメディアをものすごい高揚しているイメージで言ったとしても、「マ↘ル↘チ↗メ↗ディ↗ア↗」っていうイントネーションになることはないじゃないですか。だからそこには感情がこもってなくて、不自然だなというのを読み取ったりするんです。そういうことが日常においてもあって、私は歌とかでもイントネーションから意味を読み取ったりニュアンスを読み取ったりしてるんですけど、それって、文章とか絵とかの媒体だと表現できないから、だとしたら自分が話すしかないなーと。そういう心積もりからラジオはやってますね。

-イントネーション。電車のアナウンスとかもそんな感じですよね。

水:そうですね。すごくいいと思うんですよ、やっぱり、あの違和感のあるものって人の心を掴むと思うので、ただ正しいものって流れて行っちゃうんですけど、違和感のあるものは引っかかりがあって面白いかなーっていうのをけっこう何してても思いますよね。自分の好みっていうのもあると思うんですけど。

水:そうですね、少し。

インタビュー後編:水野しず展インタビュー(2/2) に続く

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